ホスト様の隣は私
目が覚めて横を見ると、キョロキョロする美桜がいた。

状況がわかってないんだろう。


「美桜」

優しく呼ぶと、美桜は勢いよく俺の方を向く。


「ふっ。面白い顔」


百面相する美桜の頭を撫でて、俺は起き上がる。

面白すぎる。


「ちょ!どーいうこと…!」

「べつに。ほら、支度しろ。飯食いに行くぞー」


怒ってる美桜をほっておいて、出かける支度をする。

腹減ったし。


「え…私、帰る…」

「飯食ってからでもいいだろ?」

「お金そんなないから…」


金の問題かよ!

元から俺の奢りのつもりだったけど…


「気にすんな。俺が出す」

「そんなの悪いよ」

「俺が腹減ったんだから気にすんな」


普段からデートしてても、割り勘か美桜が払ってたんだろう。


男が絶対奢りというわけではないが、この感じだと毎回だったんだろうな。
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