ホスト様の隣は私
「でも…」


未だに断ってくる美桜に

「はいはい、いいから黙って支度して」


と伝え、俺は部屋から出た。

俺がいたら着替えられないだろうしな。


俺はどうしてか、美桜をほっておくことができない。

今解散したら、きっともう会うことはない。


アイツ、ホストで遊ぶような感じでもないし。

それがなんだか嫌で、少しでも一緒にいたいと思ってる自分に戸惑う。


色々考えていると、美桜が部屋から出てきた。


「支度できたけど」

「ん。じゃあ、行くか」


俺は自然に美桜の腰に手を回しエスコートする。

来たときは足が震えまくってた美桜だけど、今は震えてはいない。


忘れてるのか、俺で気が紛れてるのか。


どちらかはわからないが、安心した。
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