ホスト様の隣は私

來斗side

俺は今、美桜とお店で従業員同士の飲み会に参加していた。

美桜と少しでも一緒にいたいから誘ったのに、美桜は他のホストに囲まれて全然一緒にいられねぇ。


なんなら俺は、オーナーに捕まってるしな。


「おーい、來!何、イライラしてんだよ」

「別にイライラしてませんよ」

「お前でも、恋するんだな〜」

なんて言いながら、笑うオーナー。


俺が恋?は?


「連れてきた子、好きなんだろ?」

「いや、そういうんじゃ…」

「もしかして、自分でも気づいてないのかよ」


いやいや、気づいてないって何がだよ!

俺が美桜を好きだと?


でも、もしそうだとしたら

この前の愛おしく思う気持ちだとか

少しでも一緒にいたいって思うのとか納得いくか。


「まだ、知り合って間もないのに好きとかわかりませんよ」

「好きになるのに知り合ったのが間もないとか関係なくね?一目惚れとかだってあるんだから」

「まぁ…」

「素直になれよ〜」


そう言ってオーナーは、次なる獲物のところへ向かっていった。

獲物と言っても、飲み比べする相手を探してるだけ。

これはいつものことだ。
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