ホスト様の隣は私
俺は、ホストを掻き分けて美桜の隣に行く。

美桜は、なんか疲れた顔をしていた。


まぁ、無理もないか。

こんなに大勢のホストを一人で相手してたんだからな。


「お前ら、どっか行け!」

「來さーん、もう少し美桜ちゃんと話したいっすよ!」

「無理。美桜は俺が連れてきたんだ。諦めろ」

「來さん、一人占めズルいっす」


なんて、たくさん言われまくってる。

美桜はどうしていいかわからず、一人でアタフタしてるし。


「美桜、疲れてるからまた今度な。ほら、散れ散れ」


早く解放してやらんと、美桜が倒れちまう。


「絶対っすよー!」

と言いながらも、散らばって行ったホストたち。


ったく、しょうもねぇ。

仕事で女相手にしてんだから、発情すんなっつーの。


「來斗さん…」

「美桜、悪かったな。疲れたろ?」

「なんか震えが…」


は?

美桜を見ると、震えてる。


「美桜…悪い、気づかなくて」

俺は美桜を抱き上げ、急いで事務室に運んだ。


なんで美桜が震えてるのかわからないが、とにかくあの場所にいちゃいけない気がした。
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