ホスト様の隣は私
あれからしばらく抱きしめあっていた。


美桜が落ち着くと、次は恥ずかしかったのか勢いよく離れる。

寂しいと思ったのは秘密。


「來斗さん…」

「その、來斗さんって呼ぶのやめてくれないか?來斗でいいから」

「え?あ、うん…來斗…」


声は小さかったけど、ちゃんと來斗って呼んでくれた。

いつも、さん付けが気になっていた。


今言うべきじゃないのはわかっていたが、どうしても呼び捨てで呼んでもらいたくて…


「來斗…?おーい?」

「……あぁ、わりぃ。どうした?」


ボーッとしてたら、美桜が不思議そうに覗き込んできた。


「いや、ボーッとしてたから」

「わりぃ。なんでもねぇ」

「そっか〜!」


さっきより、明るくなった美桜。

自意識過剰かもしれないが、俺が帰ってきたからか?
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