ホスト様の隣は私
「なるほど。

引っ越し日は来月だよな?」


「はい」


「ホテルは?それまで」

「美桜が嫌がりまして…」


俺だってホテルにしたかったけど…

なぜか美桜は嫌がった。


落ち着かないとは言ってたけど

多分、お金の心配してるんだろう。


「そうか。

引っ越すまで、俺が運営してるマンションの一室使うか?」

「え?」


オーナーが運営してるマンションって、今埋まってなかったっけ?


「昨日空きが出たんだよ。

家賃もいらない。たった1ヶ月だし」


そんな上手い話…


「見返りはいらんから、心配すんな。

家具一式も揃えておくしすぐ住めるように明後日までに用意しておく」


「申し訳ないんですが…」

「なに、お前はいつもお店の売り上げあげてくれてるし

俺の飲み相手になってくれてるだろ」


と言って、笑うオーナー。

飲み比べに付き合ってきてよかったと、今すごく甲斐があったって実感する。
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