ホスト様の隣は私
俺が美桜を抱きしめていると、電話が鳴る。

見なくてもわかる、オーナーだろう。


「美桜、ごめん。オーナーからだから」

「うん」


俺は美桜を離さないまま、電話に出た。


『來、悪いな急に』

「いえ、俺も電話しようと思ってたんで」

『ということは、テレビ見たんだな?』

「はい、ちょうど見てました」

『そうか。やってくれたよ、アイツ』


と、困ってるオーナー。

そうだろうな。


ニュースには店名も出てたからな。


「今もまだ逃げてるんですよね?」

『そうみたいだ。お前が美桜ちゃん連れて逃げてくれたことが唯一の救いだった』


ほんとにそうだ。

あそこで逃げてなかったら、きっとアイツ次は美桜を…

考えるだけで恐ろしい。
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