私の恋がはじまった日
3、不思議な転入生
昇降口にやってくると、人だかりができていた。
クラス替えの名簿が貼り出されているみたい。
「えーっと、佐藤 美音、佐藤 美音…」
自分の名前を探していくと、2年D組にその名前があった。
「あった!私、D組だ!」
私の横で自分の名前を探していた椿も、喜びの声を上げる。
「俺もD組!また美音といっしょだ!」
「本当に!?」
「ほんと!ほら、美音の名前のすげー下の方」
佐藤 美音、と書かれた名前から10人くらい下に、三浦 椿の名前を見つけた。
「本当だ!また同じクラス!」
「8年連続!俺たちすごくね?」
私たちはハイタッチをして喜びあった。
クラスに到着して教室を見回すと、去年同じクラスだった人や、はじめましての人。半々くらいだった。
黒板の前で椿といっしょに自分の座席を確認していると、女の子が二人、こちらにやってきた。
「美音ちゃーん!」
「美音」
「わっ!桜ちゃん、雪乃ちゃん!」
去年同じクラスで仲のよかった、結城 桜ちゃんと早瀬 雪乃ちゃん。
二人とは去年の入学式で仲良くなってから、ずっと仲良しでいつもいっしょだったんだ!
「今年も同じクラス!うれしー!!」
「私もめっちゃうれしいよ、美音」
元気な桜ちゃんと、ちょっとクールで大人っぽい雪乃ちゃん。
私の大切な親友なんだ!
「私も二人といっしょでうれしい!今年もよろしくね!」
私たち三人は手を取り合いながら喜んだ。