私の恋がはじまった日
いつもなら18時ぎりぎりまで練習があるのだけれど、今日は少し早めに切り上げて、明日の部活紹介の練習に入る。
明日は入学式。新一年生が入ってくる。
放課後は体育館に集まって、部活紹介オリエンテーションがあるんだ。
もちろん私たちサッカー部もそこでパフォーマンスをする予定!
体育館のステージは狭いので、当然本気で蹴ることはできない。
なので、ドリブルやヘディング、軽い足技なんかをやることになってるんだ。
ステージくらいの範囲の線を引いて、その中で数人の選手がボールを蹴り合う。
普段やっていることとはいえ、ボールが新一年生の方に飛んで行ってしまっては大変。そのためのリハーサルなんだ。
「マネージャー、今の感じはどうかな?」
一通り技を披露し終わって、菅原先輩が私に尋ねる。
私はうん!とうなずいた。
「ばっちりだと思います!」
「よかった」
菅原先輩はうれしそうに笑みをこぼす。
「一年生、来てくれるといいね」
「はい!きっと来てくれます!」
「佐藤さんがいれば、きっと大丈夫だって、自信が湧いてくるよ」
先輩にそんな風にほめられて、とてもうれしい!
私と菅原先輩が笑い合っていると、こちらにあわてて駆け寄ってくる足音が聞こえた。
「ストーーップっ!!先輩、美音に近づきすぎじゃないっすか!?」
駆け寄ってきたのは幼なじみの椿だった。