私の恋がはじまった日

「…しろくまのシール…」


「え?あ、うん。小さい頃からしろくまが好きで貼ってるんだ。やっぱり中学生にもなって変かな…?」


 藤宮くんの表情からはなにを考えているのかまったくわからなかった。


「…まだしろくま好きなんだな」


「え?」


 まだってなに?どういう意味?


 私が首をかしげていると、藤宮くんがふっと笑った。


「むかし、しろくまのキーホルダー大事にしてただろ」


「ええっ!どうして知ってるの!?」


「なんでだと思う?」


「え?え?」


 私の頭はまたパニックにおちいった。


 藤宮くんはときどき不思議なことを言う。


 まるで私と藤宮くんが、むかしにあったことがあるみたいな…。


「憶えてないんだな…」


「え、えっと…?」

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