私の恋がはじまった日
え、なにそれどういうこと?藤宮くんも応援してもらいたかったってこと?でも…。
「藤宮くんだって、みんなに応援されてたよ?クラスの女子だってきゃーきゃー言ってたし」
藤宮くんを好きな女子はけっこういると思うんだけどな。
「そうじゃない」
「え?」
藤宮くんはめんどうくさそうにこちらを振り返る。
「俺は佐藤に応援されたかったんだよ」
「え、なんで…?」
「なんでって…お前本当に鈍いな」
「???」
私の反応に、藤宮くんは少しいらだったみたいだった。
「佐藤が思い出すまで言うつもりなかったんだけど、ここまで鈍いのか…」
藤宮くんは顔を近づけると、そのまま私のおでこにキスをした。
「え…?」
なにをされたのか一瞬わからなかった私はぽかんとしてしまう。
「これでもわからない?」
藤宮くんがからかうように笑って、私の身体は一気に熱くなった。
「な、な、……!!!」
「もう少し俺を意識すればいい」
そう言って藤宮くんはべえっと舌を出した。
苦しいくらいに胸がドキドキと鳴っている。
な、なんなの…どうしてこんなにドキドキさせるの…??
藤宮くんがなにを考えてるのかさっぱりわからないよ…!