私の恋がはじまった日
8、幼なじみの攻撃
帰宅した私は、ベッドに寝転んでぼーっと部屋の天井を見上げていた。
「俺を意識すればいい」、そう言った藤宮くんのからかうような表情が忘れられない。
どうしてあんなことしたんだろう…?
おでこにキス、なんて……。
「ひゃーっ!!!」
思い出すだけで、また熱が上がりそう…。
男の子にあんなことされたの、はじめてだよ。
少女漫画とかならよく見るけど、まさか実際自分の身に起きるなんて…!
「藤宮くん、私のこと好き…、とか?」
口に出して、それは絶対にない!と思った。
だって私たちはまだ出会ったばかりだもん。たしかに一目ぼれとかはあるのかもしれないけど、私を一目見て好きになるような人はいないだろうし…。
「ううーん…じゃあなんであんなことしたんだろう…?」
疑問はふくれあがるばかり。
やっぱりからかわれた、っていうのが正解な気がする。
今日の藤宮くんはなんだかいじわるだったし。
そうだ、きっとそうに違いない!
私はひとまずそう結論づける。
脳裏に焼きついて離れないさっきの出来事を、私は頭を振って追い払った。