私の恋がはじまった日

「で、藤宮は?」


 藤宮くんは自分の紙に書かれた文字を少し見つめて、私にだけ見えるようにこちらに紙を向けた。


 そこには、『気になる女の子』と書かれていた。


 私は目をぱちくりさせて、紙の文字と藤宮くんの顔を交互に見てしまった。


 気になる女の子……?


「ちょ、見えねえんだけど!俺にも見せろ」


「三浦には見せない」


「なんでだよっ」


 藤宮くんと椿のやりとりをぼーっと見つめる私。


 藤宮くんの気になる女の子が、私、なの…??


 頬に熱がこもっていくのがわかる。


 私、この前からなんだかおかしい。


 なんなんだろう、この気持ち…。


 そんなことをしていると、「次は、各組の応援合戦です」と放送が入って、私たちはあわてて応援席に戻った。


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