私の恋がはじまった日

14、さよならの前に

　はじめはせっかく隣の席だから、仲良くなりたいな、ってそれくらいだった。


　でも藤宮くんはいつも私をドキドキさせるようなことをする。


　それに藤宮くんが、小さい頃に出会ったあの男の子だってわかってうれしかった。


　でもそれだけじゃなくて、今の藤宮くんに、私はひかれているんだとも思う。


　優しいところも、照れた顔も、楽しそうに私をからかってくる表情も。


　きっと私はそのどれもが好きになっちゃったんだ。


　藤宮くんのことが好き…。


　こんな気持ち、はじめてだった。


　私もちゃんと藤宮くんに気持ちを伝えよう！


　そう思ってはいても、なかなかうまく伝えられなくて。


　日々はどんどん流れていく。


　そんなある日だった。