私の恋がはじまった日

 藤宮くんはあっけらかんと答える。


「まぁ、引っ越しはするけど。両親がまた転勤になるみたいで、俺はついて行かないことにしたんだ。近所に祖父母が住んでるから俺はそっちに引っ越す」


 んん?あれ?それって……。


「あの、藤宮くん。転校しちゃうんじゃ…?」


「同じ学区内だから、転校はしない」


「え?……え?」


 藤宮くんの言葉を聞いても、私の頭はまだ混乱していた。


「え、じゃあ藤宮くんと、また学校で会える…?」


「会えるだろ。今は急に引っ越しが決まって、あわてて荷物まとめてるだけで、来週にはふつうに学校行くし」


 私は目をぱちぱちとしばたたかせる。


「藤宮くん、…もう急にいなくなったりしない?」


「しない」


 藤宮くんはそうきっぱりと言い切った。


「なぁんだ!!よかったぁ~~!!また藤宮くんと離れ離れになっちゃうんじゃないかって、すっごく怖くて!だから早く想いを伝えなきゃって…!」


 あまりにほっとしすぎて、私はその場に座りこんでしまいそうになった。


 それを藤宮くんが支えてくれる。


「よかった、本当に。よかったぁ…」


 藤宮くんとまたいっしょにいられる…!


 これからも毎日会えるんだ!

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