私の恋がはじまった日
それから俺は転校して、また新しい学校、新しい人たちと出会った。
けれど脳裏をよぎるのはいつも彼女のことばかりだった。
今頃どうしているんだろう…。
悲しい思いをせず、笑っていたらいい。
そう想い続けた。
そしてまた、俺はこの街に戻ってきた。
正直少し期待していた。
彼女に会えるんじゃないかって。
そうしたら転入初日、桜並木で彼女と再会した。
彼女は俺のことを憶えていないみたいだった。
けれど、彼女はなにも変わっていなかった。
俺と出会った頃のまま、明るい太陽みたいな彼女のままだった。