モテすぎ男子に溺愛されてます!
「てか……紫乃、一回手離せ」



「え、なんで?嫌だ」



「いいから」



ぐいっと両手を退かされて、鼻血が出た顔が丸出しに。



それを見て哀はにやりと笑う。



「ほら、鼻血出てる。保健室行くぞ」



体育館の端にいる私たちを、クラスメイトのみんながじっと見ていて恥ずかしい。



体育館の端っこで手を差し出した哀は、誰がどう見ても王子様にしか見えなかった。



恐る恐る手を取ったらそのまま引き上げられて、強引に手を引っ張られる。



だけどその力は痛くなくて、むしろ優しくて、哀の優しい温かさを感じた。
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