モテすぎ男子に溺愛されてます!
「哀、もう家入ろう」



「ああ」



傘を閉じてドアを開ける。



二人で家に入ろうとした時、後ろからカメラのシャッター音が聞こえた気がした。



私と哀が同時に振り返ったけど、後ろには誰もいない。



哀にも聞こえたんだから幻聴じゃない。



まさか誰かに盗撮された?



と思ったけど、吉田さんはもう帰ったはずだし、誰も盗撮しないはずなのに……じゃあ、なんで?



ぐるぐる頭を回転させるけど何も変わらない。



「ただいまー!」



「あ、おかえり!紫乃ちゃん!」



「美咲さーん!」



昨日までいなかったはずの美咲さんが笑顔で出迎えてくれて、それだけでさっきのことは頭から吹き飛んでしまった。



その時はまだ気にしていなかったし、知らなかった。



私の身に何が起こるかを。
< 133 / 249 >

この作品をシェア

pagetop