あなたくれない
泣きじゃくってしまったけれど、なんとか伝えた。
「琳音、生きてた!!」
琳音のおじいちゃんは目を大きく見開いて、
「どういうことだ? 聞かせてくれ!」
と、私の両肩を掴む。
村井のおじさんが、
「まず光本さんの家に穂希ちゃんを連れて帰ろう! 話はそれからだ!」
と、琳音のおじいちゃんに言う。
家に帰ると。
おばあちゃんにカンカンに怒られて。
泣きべそをかきながら、泥などで汚れた洋服を着替えるためにも、お風呂に入ることになった。
お風呂から出ると。
おばあちゃん、お母さん、琳音のおじいちゃん、琳音のお母さん、村井のおじさんがリビングに集まっていた。
「駿翔くんは?」
と尋ねると、お母さんが、
「学校に行ったよ」
と、答えた。
少し残念な気持ちになりつつ、あとで助けてくれたお礼のメッセージを送ろうと思った。
「さぁ、何があったんだ? 聞かせてくれ」
と、琳音のおじいちゃんが私に視線を向ける。