あなたくれない

「あはっ、本当によく似ているのね」

「……?」

「あなた、私の息子によく似ているわ。その目、すごくそっくり」

「……」

「あの子、どうしたかしら? 意志の強い子だったわ、私に懐かなくてねぇ。そういうところも、あなた、そっくりね」



米子さんは“くれない様”を無視して、
「穂希ちゃん、ごめんなさい。許してね」
と、私に話しかけた。



おばあちゃんが少し離れた場所から、
「米子!! ただじゃあおかないからね!!」
と、怒鳴っている。



それを聞いた米子さんは、
「愛されているのね」
と、私を見た。



「米子さん?」



何か、様子がおかしいと思った。

もしかして、まだ琳音ごと無理矢理“くれない様”を殺そうと思っているのかもしれない。




「琳音のこと、見殺しにしないで……」

「大丈夫。……きっと、うまくいくから」



米子さんが笑った。



(!?)




何か、良い案があるのかもしれない。

村の大人達も、
「米子さん! 何か策があるのかい!?」
と、聞いている。
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