あなたくれない
「穂希、はじめから説明出来るよね?」
と、お母さん。
私の目を見るお母さんの目が、どこか不安そうだった。
「……琳音が」
と、私は話し始めた。
「琳音が、駿翔くんと私の仲を勘違いして、お、怒って……、それ、それで」
ひっく、ひっくと泣きじゃくりながら、説明をする。
「泣くんじゃない!! ちゃんと、話しなさいっ!!」
と、おばあちゃん。
そう言われれば、余計に泣いてしまう。
「琳音に連れられて、洞窟に行って、琳音が“くれない様”を目覚めさせて、い、祈ったの」
「琳音ちゃんが、何を祈ったの?」
と、お母さん。
「私が消えるようにって。私を消してって」
両親が青ざめた。
怒りつつ聞いていたおばあちゃんの顔も曇る。
「呪いを、かけられたの?」
と、お母さん。
私は頷く。
「どうして? 穂希は琳音ちゃんと仲が良かったのに」