あなたくれない
「だって、琳音が……」
そう言いかけた私を遮って、おばあちゃんが厳しい声で言う。
「人のせいにばっかりするんじゃないよ!!」
「……えっ?」
「さっきから聞いていたら、あんたは琳音ちゃんのせいにして!!」
(だって、本当のことなんだもん)
「いいかい、穂希! 例え琳音ちゃんが勝手に恨んで、勝手に“くれない様”を目覚めさせたとしても!」
「お義母さん、やめませんか!」
「いいや、浩二さん、言わせてもらうよ!! ……穂希、あんたは琳音ちゃんについて行ったんだ!! 目覚めさせる時、そばにいたはずなんだ!!」
「お義母さん!!」
「いつだって、琳音ちゃんを止められるはずだった!!」
おばあちゃんはそう言って、私を責めた。
ショックだった。
普段から厳しい人だと思ってはいたけれど。
こんな時くらい、優しい言葉が欲しかった。
「でも、でも、私、止めた!」
と、反論する。