あなたくれない
第四話 不可解なこと
琳音が帰って来なくなって、一週間程経った。
私はその間、学校を休んでいた。
《穂希、大丈夫か?》
《困ってないか?》
《オレに何か出来ることがあれば、言ってほしい》
……駿翔くんからのメッセージが何通も届いていたけれど、私は返信を送っていなかった。
(巻き込んじゃいけない)
そう思っていた。
駿翔くんまで、何か言われる。
駿翔くんにだって、危険が及ぶかもしれない。
“くれない様”も怖い。
でも、村の人達も怖い。
小さい頃から誰かに仲間外れにされたことはあるけれど、今の状態は、仲間外れにされた以上に、何かどんより暗いものが心に渦巻いている。
部屋の中で。
ひとり、勉強机に向かう。
今日は朝から空が曇っていて。
お昼過ぎだというのに、部屋の中は薄暗い。
勉強机のスタンドの明かりを付けて、私は今度の定期テストのために復習をしていた。