どうせ、こうなる運命
プロローグ
「あなたを、死刑とします」
パシャ、カシャ、カシャ―
ええ、今、公開死刑宣告がされ―
お嬢様は過去との決別を迎え今あの場に―
所々にシャッターを切る音、ハキハキとした声で話す知らないアナウンサーの声がする。
そんな放送は、知らない誰かさんの朝の報道ニュースにでも、のるんだろうか。他人の報道を横目に、パンにでも噛りついているのだろうか。
ふと、思う。
どんな目で、見られているのだろうかと。
死んだような無表情で死刑宣告を口にする私に対しての、可哀想な同情の目?なにそれ、と嘲笑う目?それとも、ただこの瞬間を見たいという人もいるかもしれない。
縛られた手首を後ろに、警察にでも殴られたのか、綺麗だった頬には痛々しい痣がある。
そんな彼のことを、私はただ、中身のない空っぽな目でじっと見つめていた。
罪の愛―
そう、綺麗事のようにいわれる私達の意味のないこの愛は、ただ、この世界には興味の的としか成り立っていないようだった。
「何か、言いたいことはありますか?」
感情のない、ロボットのような声がする。
それは間違いなく、何年も、そしてどんな時も聞いてきた、私の声だった。
何気ないように、訪ねたつもりだった。面白い要素は、何一つとして入っていないはずだった。死刑宣告だって、されたはずだった。
なのに、なのに…、
見下ろす私に、それでもあなたは笑ってる。
「あなたに殺される運命で光栄です、お嬢様」
♧