どうせ、こうなる運命
「何歳?」
「…19です」
別に年齢は言ってもいいかと恐る恐るだった。すると、男はふうん?と意味深に笑みを作り、「俺は……」と続ける。
「いや、黙っとこーっと」
「何歳ですか?」
「…んと、今は22って嘘ついてるとこ」
「なんで嘘なんか」
「見ればわかるだろ」
ふーっと煙草の煙をこちらに向けてきて、げほっげほ、と思わず咳き込む。
「煙草慣れてない感じ?あーお嬢様か。だからあんなに興味津々に、煙草見てたのねぇ?」
二度目の舌打ちしたい精神を押さえ、「だから、何歳なんですか」と負けん気で聞いた。
「お嬢様と同い年だよ、ほんと」
大人っぽくて22でも違和感がなくて、少し驚いたが顔には出さない。
「喫煙は、体によくない。それに、受動喫煙です。煙草の煙を吸った私でも体に害を及ぼすこともあるんですよ。元々、未成年の喫煙は法律で禁止―」
「はいはい、労働5時間の貯めた金でやっと1本なのに。まあ、お嬢様だしね」
三度目の舌打ちしたい精神を押さえると、男は煙草の火を消した。