どうせ、こうなる運命
「イライラするな…なんか…」
真っ暗な囚人部屋に、ポツリと呟く。
息苦しい暑さに苛立ちが沸く。慣れることができないこの独特な匂いも、嫌い。
ああ、寝付けないとイライラして仕方なくなるのは久しぶりだ。子供じゃないんだから。
今は刑務所なんかにぶちこまれている私だ。別に、無礼も無視も、増してや暴力を奮っても、囚人だからという理由で納得で終わる。
…だから、あのぶつかった時、無視をした。
謝るのも、感謝するのも…
ただの周りから自分への、
好感度や印象付けでしかないでしょう?
それがいらないと判断したから、私は、無視をしたわけであって。
今までの指導も全て完璧に受け入れてこの19年間を、過ごしてきた。
だが、何故、そう礼儀を学ぶのか、教えてもらえてないし。そう言い訳しておこう。
…ふと、疑問が頭を過る。
私は、この刑務所で、
どうやって生きていけばいいのか。
真顔を突き通して生きる?それとも振り切って笑顔を保ち笑って生きる?不良みたいにチャラけて問題でも起こしてみる?
脱獄でもやってみる?
もっと、周りから冷たい目で見られてみる?
…ああ、なにを考えているんだろう、バカ。
まるで私は、
どのくらい深いかも、
何がいるのかも、
どこにあるのかもわからないような。
そんな深海に、突然背中を押されて、落とされたようだった。
まだ、ここにいる事実に心は追い付けない。私は罪を犯した囚人、なんだと。