どうせ、こうなる運命
「ふぁ~!!生き返るぅ~」
シュワシュワした、緑色の液体を飲んだカイは、そんなことを言いながらカウンターテーブルに崩れ落ちるように顔を伏せる。
「…その緑の液体、飲んで大丈夫なやつですか?」
―私達は、食堂で遅めの朝御飯を食べている所だ。他の囚人の姿もチラホラ見える。
そんなに面白かったのか、カイは腹を抱えて笑うほど、大笑いする。
「緑の液体て…メロンソーダだよ!!!」
「え、あ、あー、めろん、そーだ」
「ごめんごめん、俺が生き返るとか言ったから薬とかかと思ったんだな、怖くなったんだな、ごめんって」
よしよし、と頭をポンポンされてばっと手を払うと、カイは面白そうにまた笑った。
躊躇いもなく、清潔かもわからないテーブルに頬を擦りつけらるカイに、小さく驚く。
…なんか、汚そう。
いや、でもここは刑務所だ。
罪人なんかの私が、潔癖とか気にするとか、マナーとか、そんなこと、思う必要はない、無駄だ。ただ、ここは罪を償う所である。
私、おかしい、よな。
刑務所に馴染んでいかなくては。
何年も何10年も、
ここにいることになるから、
「なつ」
はっと我に返る。
顔を上げるカイが、どこか心配そうに、私を見つめていた。子犬のようなつぶらな目で。
私はすぐに顔を上げて、彼の言葉を待つ。
「俺、メロンソーダ好きなの」
「…ああ、そうですか」
「くっそどうでもいいって思った?」
「…普通にどうでもいいです」
「ふふ。やっぱ俺って天才」