どうせ、こうなる運命
「……一緒になって、ほしくない…っ!!」
はっと口を閉じる。
気付けば、その男は、私の胸ぐらを掴んでいた。カイの方に歩みを進めていて安心したのか、完全に、身構えもせずに油断してた。
「っ…」
足が空を切っている。暴れてみても、空を切るばかりで、足が、地面に着いてない。
私の体重を余裕で持ち上げて、胸ぐらを掴まれて、体が宙に、浮かされて……
「なめてんのかぁお前は!!!!!」
体を揺らされる。口の中が切れたようで、口が鉄のような血の味でいっぱいになる。
ヒステリックな声に、それでも、私は、曲げなかった。また、もう一発殴られるかもしれない。こいつに殺される可能性だってある。
でも、私は、
「なめて、ますよ、めちゃくちゃに」
真顔で、何も怖くなさそうに言ってやりたかった。
「っお前、殺されたいのか?この小僧が味方に付いたからって調子乗ってんじゃねぇぞごら!ぁ!!!殺すぞ!!!!」
また、スローモーションになる。
胸ぐらを離され、重力に従って私は落ちていく。その時、大きなグーの拳が、私の顔の方に近付いてくる。
…あ、私、これ、死んじゃう……
助けて、
決して声には出さず、口を動かしてた。
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