どうせ、こうなる運命
「ゆっくり、落ち着いて」
そう優しい口調で言いながら、カイは私の背中を軽く叩く。
ひかれたってよかった。というか、思い切りひかれるためにやったと言っても過言じゃない。
「…はぁ…っ」
思い切りため息をする。飲み終わった空のペットボトルを、片手で思い切り潰す。
「んな力あるんだったらキャップいけただろ。あ、もしかして弱い女の子ぶった?」
ケラケラひとりで笑うカイに、圧倒的な真顔を見せつけた私は、ペットボトルを思い切り宙に放り投げる。
宙に舞ったペットボトルは、なんと、あの気絶中の男の顔面に当たって床に落ちる。
「っやば……」
「ナツのやばい聞いちゃったわ」
カイを横目に、さっとベッドから降りた私は、俊敏にペットボトルを拾い上げて、すぐ、目に付いた箱に入れる。
…大丈夫、この男は起きてない。
「え、それゴミ箱じゃないけど」
さっと急速に拾い上げて、今度こそ、ゴミ箱、とマーカーで書かれたものを見つけて、その中にさっと入れた。
私を弄んでそんなに面白いのか、カイは私を見て、ずっと、笑っている。
戻ろうと足を進めた時、急に、足がすくむ。
足が麻痺して、体を支えきれなくなった。
体が倒れて……
―バタッ