どうせ、こうなる運命

「カイは、私のボディーガードとでも思ってるんで。それが、私が離れない理由。まあ、それ以外、何も無さすぎて笑えるんですけど」



カイは、いつものようにニヤッと笑う。



「やっぱり、お嬢様のこと助けて正解だった。ほんと、いい暇潰しになりそうだわ」



ひ、暇潰し…

所詮、私との会話や助けてくれたのは彼のただの暇潰しにしかならないみたい。

別に、何とも思わないが。

カイはそのまま立ち上がって、私に背を向ける。どこかその背中が、小さく見えた。



「じゃーね、お嬢様」

「っ…あの」



余計な一言が口から漏れる。

目線は逃げる。でも、伝えたい。

明日、互いに生きて、話せるように。


生きる。それは、難しそうで簡単で、簡単そうで難しくてたまらないから。


カイは、私に振り返る。



「っま、た、…また、会おう、」



本当の笑顔で、にっと思い切り笑ってやる。



「うん、また明日」



大切に大切に、その言葉を互いに口にした。










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