デスゲームアイドル デスゲーム学園からの大脱出

いきなり脱落!? 私はデスゲームなんかで死にたくない!

「さあ、(あおい)、これで一番右のカードを引いたら、(あおい)はあがりだよ。蒼から先に上がって。私はだいじょうぶだから」

「うん、ありがとう、恵理」

私は恵理の手にある3枚のトランプの一番右のカードを引き抜いた。これでデスゲームのコンビババ抜きはあがりだ。

しかし、私が恵理から指定されて引き抜いたカードは……ジョーカーだった。

「えっ、なんで?」

「あっ、ごめん、(あおい)、私から見て右だった。蒼から見たら左だよね」

私の驚いた表情をじっくり眺めるように恵理はにんまり笑った。

綺麗なロングヘアで可愛い恵理の顔が気持ち悪くゆがむ。

「あっ、それとよく見たら私の残りカード2枚はそろってたわ。審判さん、数がそろったカードはいつ捨ててもいいんだよね」

恵理は黒い壁に囲まれたプレイルームの天井に向かって問いかける。

「ルール上問題ありません」

天井に設置されたスピーカーから無機質な声が発せられる。

「じゃあ、わたし、あがりね」

恵理はクラブの3とスペードの3のトランプをゲーム台の真ん中に放り投げた。

「ど、どうして、恵理?」

「ほら、(あおい)、ゲームはまだ終わっていないわよ」

私の向かいにいるデスゲームの対戦相手が私からカードを引こうと待ち構えている。

そうだ、まだこの子が私からジョーカーを引けばまだ生き残れる。

私が目の前に構えたカードを対戦相手の女の子が幸運にも私のジョーカーに手をかけた時、恵理が突然口を開いた。
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