デスゲームアイドル　デスゲーム学園からの大脱出

魂を切り売りしないこのクラスは天国だよ

うん、なんだろう。

何か暖かいものに乗せられたような感覚がある。

背中、これは誰かの背中かなあ。

男の人の匂いがする。

私の中のお父さんにおんぶしてもらった記憶が蘇る。

「じゃあ、こいつは俺が休憩室に運んでいくぜ」

真桑(まくわ)と美織(みおり)が私の処理をどうしようか話していたとき、売店スペースにもうひとり誰か入ってきたのが、最後の記憶だった。

「ああ、シュウ、悪いね。じゃあ、きみにお願いするよ。それときみはここの一番の古株だし。その子にいろいろと教えてあげてよ」

気が付くと私はシュウと呼ばれた男の子におんぶされているようだった。

近い、体が近い、というか密着してる。

「ちょ、ちょっと、何しているんですか？」

「気が付いたか？　お前が倒れてたから、俺が休憩室に運んでやってるんだよ」

「あの、手がお尻に当たってるんですけど」

「おんぶしてるんだからしょうがないだろ。もう歩けるんだったら下ろしてやるけど」

そうは言われてみて足をぶらぶらしてみたけど、足はまだしびれたままだ。

下ろされたらその場で倒れてしまうかもしれない。

それはそれでかっこわるい。

男の子にこんなことされるなんて初めてだから、顔から火が出て心臓が爆発してしまいそうだ。

「ほら、ゆっくり下ろすぞ」

休憩室に着いて、シュウくんに支えられながら私は椅子に腰かけてテーブルに上半身をもたれさせた。

休憩室ではある一画にクラスのみんなが集まっている。

「やったあ、ついにテレビがうちのクラスに来たぜ。真桑さんありがとうございます」

テレビが設置されたことでみんなが真桑にお礼を言っている。
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