デスゲームアイドル デスゲーム学園からの大脱出
「ああ、そういえば、私さっきジョーカーの横に目印で折り目を付けちゃったかも」

その言葉を聞いた対戦相手の女の子はジョーカーの横の折り目を確認して、疑いながらも隣のカードを引いてしまった。

対戦相手の女の子は喜びながらハートの3とダイヤの3をゲーム台に差し出した。

「ゲーム終了です。第4デスゲーム、コンビババ抜きの敗者は有月(あおい)に決定しました。10秒後に首輪から毒が注入されます」

スピーカーから私の敗北と死が宣告される。

私は絶叫しながら自分の首につけられた硬い首輪を外そうと首輪と自分の肉の間に指をめり込ませる。

指と首輪の圧迫感で呼吸ができなくなるが、そんなことは気にしていられない。

けれど、そんな抵抗もむなしく私の首に針で刺されるような痛みが走る。

首の中に冷たい液体が入り込んでくる。

とたんに自分の体から体温が奪われて行くような感覚に襲われた。

胃からせりあがってくるような吐き気と世界が揺れるようなめまい。

まるで自分の体が自分のものでなくなっていくようだった。

「ど、どうして、恵理、私たち親友じゃなかったの?」

トランプのババ抜きでそろっているカードをあえて手に残してだますなんて、自分自身がデスゲーム負けてしまうリスクまで抱えてしまうやり方だ。

そこまでして恵理が私のことを裏切ったのが信じられなかった。

恵理は苦しむ私の姿を見ながら、ゆっくりと近づいてくる。

倒れそうによろけている私のポニーテールの髪をつかんで顔を強引に自分の目の前に持ってくる。
< 2 / 73 >

この作品をシェア

pagetop