デスゲームアイドル デスゲーム学園からの大脱出
質問していいのかどうかわからなかったので、黙っていると審判の黒服は続ける。

「掛け金は最低10万、最高で500万。お互いの数字を見てから賭け側は賭ける金額を決める」

最低10万……とんでもない高額だ。私の所持金20万では最低掛け金でも2回分しかない。

「賭け側から掛け金が提示されたら受け側はその勝負を受けるか降りるか決めなさい」

勝負を降りることもできるんだ。それなら降り続ければ比較的安全にゲームを終わらせることもできるかもしれない。

「勝負から降りたらお金を払わなくていいんですか」

「降りた場合は相手の賭金の半額を相手に払うことになる」

半額……思ったより多い。相手が提示した額によっては降りるのもままならないということだ。

「お互いの数字が同じ場合はどうなるんですか?」

「数字が同じ場合は受け側の勝ちとする」

「えっ、それじゃ賭け側が勝ちづらいんじゃ。どうして?」

私がどのぐらい勝ちづらくなるのか頭の中で考えていると真桑が口を開いた。

「お互いの数字のパターンは6×6の36パターンで賭け側の勝ちは15。つまり15割る36で勝ちはだいたい4割の確率だね」

悔しいが真桑の頭の回転は流石に速い。

「それと引き分けで賭け側が勝ちなら相手の数字が1のとき、負けがなくなって誰でも最高賭け額の500万を賭けちゃうだろう」

「その通りだ」

審判が感嘆の響きをもって真桑に答える。

「それと最後にもう一つだけルールがある。キューブのクローズだ」

「クローズ?」

「本来ゲーム開始時に選んだキューブを相手に見せるわけだが、負けた時の支払いが倍になるペナルティを課してキューブを開けないこともできる」

キューブを開けなければ、自分だけでなく相手も数字が見れなくなる。

「なるほど、不確定要素を増やして相手に賭けにくくするわけだね」

相手の数字がみえなければ完全に運に頼ることになるぶん、隠された相手は大きなお金をかけづらくなるということか。
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