デスゲームアイドル デスゲーム学園からの大脱出
「ジャンケンをして買った方が最初の賭け側だ」

真桑とジャンケンをすると真桑の勝ちで真桑からの賭け側となった。

「それではお互いに1つのキューブを選び、前に差し出せ」

私は6つのキューブをゆっくりと触って、そのうちのひとつを前に差し出した。

「それではキューブオープン」

私はうっかり倒さないように気を付けながら真桑に数字が見えるように選んだキューブを起こす。

真桑の数字は5だ。

「それじゃ、有月さんにテレビのお金を取り戻すチャンスをあげようかな。僕はこの勝負に100万賭けるよ」

「はあ、100万? 私20万しかないから、負けたら払えないじゃない」

私が文句を言うと審判が口を開いた。

「このゲームでは500万まで借りることができる。但し、4回のゲーム終了時に持ち金がマイナスの場合は即アビス行きとなる」

ということは20万しか持っていない私でもマイナス500万まで賭けることはできるということだ。

けれども真桑の数字が5ということは私が勝つことのできる数字は5と6。

負ける可能性の方が高い。

おまけに真桑はぽんと100万も賭けてきた。

私の数字が小さい数字で勝てる見込みがあるんだ。

ここは降りよう。

「あの、この勝負は降ります」

私が宣言するとあらためてお互いにキューブの数字をオープンする。

私の数字は5だった。

「えっ、うそ、勝ってた?」

「ああ、もったいないなあ、有月さん。勝っていたのに降りるなんて。まあでもしょうがないよ、いきなり100万なんて賭けられたら勝負に行けないよね」

真桑があざけるように慰めの言葉をかけてくる。

確かに余裕をもって100万なんて賭けられたら私の数字が小さいと思わされる。

完全に手玉に取られている。
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