デスゲームアイドル デスゲーム学園からの大脱出
「僕は今200万も勝っていい流れにあるからね。それにこのゲームであと400万勝てば僕の持ち金はちょうど1000万を超えて脱出挑戦権に手が届くからね」

このゲームで合わせて600万勝ったら1000万を超えるということは真桑の元々の所持金は400万だったということだ。

最初から持っていた金額も違いすぎる。

「それではここで数字をオープンする前に確認しておくことがある」

審判が突然口を開く。

「ここでプレイヤー有月(ありづき)がゲームに負けた場合、掛け金の倍の400万を支払うことになり、マイナス上限の500万を超える」

そうだ。ここで受けて負けたらその時点で負けなんだ。第4ゲームには進めない。

「また、降りても200万の支払いでマイナスは380万。次回の第4ゲームで残りの120万を賭けてもプラスまで戻ってこない」

私は今の状況を理解して、目の前が真っ暗になりそうだった。

「つまり、ここではプレイヤー有月はこの賭け額200万を受けて勝たなければ、即アビス落ちということになる」

審判の通告は冷酷だった。

冷たい汗がふき出てくる。

突然、私の後ろから音がする。遊戯室の扉が開いた音だ。

私が振り返るとマスクをつけた屈強な黒服がふたり部屋に入ってくる。

大柄な黒服ふたりは私の席の後ろにぴったりと付いた。

「負けが確定した時点で後ろの黒服がお前をアビスに連行する」

内臓を取り出されたり、人を人と思わないマニアックな映像を撮らされたりする地獄への連行。

想像しただけで涙があふれてくる。

「それではお互いに数字をオープンしろ」

審判が促すが、キューブの上に手が添えられているだけで私の体は全く動かない。
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