デスゲームアイドル デスゲーム学園からの大脱出
「わかっただろう。僕の数字は5。有月さんが勝てる数字はそのクローズしたキューブが6のときだけだ」

「大丈夫だよ。前のゲームも伏せたキューブは6だったじゃない。今回も6だよ。」

「おいおいおい、おまえが勝つ可能性は6分の1しかないって言ってるんだよ。さっさと賭け金を最低の10万にしろよ!」

ついに真桑の声が怒りを込めたものに変わる。

「私の賭け金は500万よ。降りるのはあなたの方だって言ってるじゃない!」

「いかれてるな、おまえ」

「だって、あなたは6分の1で死ぬロシアンルーレットの引き金は絶対に引けない。今までもそうだったんだから」

「なんだと」

「第3ゲーム、あなたの数字は6で私がキューブをクローズしていたとはいえ、6以外は勝てる状況だった」

そう、今の状況は第3ゲームと状況は一緒なのだ。

「でも、あなたは6分の1の負ける確率を怖がって、最高額の500万を賭けなかった。負けてもアビス行きはないのに」

真桑の本質は基本慎重すぎること。

彼はデスゲームなのに命がかかった勝負はできない。

「よかったね。前回は200万しか賭けなかったからたくさん負けなかったじゃない」

結果としては第3ゲームで真桑は最高額の500万を賭けなくてよかったのだ。

「今回は負けたら死んじゃうんだよ。当然真桑くんは勝負を受けることはできないよね」

私はできるだけ優しく、そしてバカにしたような響きを乗せてささやく。

「さあ、早く降りようよ。降り金の250万払って早く命だけは助かろうよ」

周りの生徒が口々に真桑くん降りちゃうの、結構ビビりなんだといったひそひそ声が聞こえてくる。
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