デスゲームアイドル　デスゲーム学園からの大脱出
「こんにちは、今日はみんなで盛り上がって楽しみましょうね」

私たちの目の前までやってきたルルリちゃんが握手しようと手を差し出す。

「あ、赤音さん、う、うそですよね。赤音さんがデスゲームなんて」

私の言葉が予想外だったのか、ルルリちゃんは目を丸くしたが、しばらくして私の視線の先でその蠱惑的(こわくてき)な唇を三日月型に吊り上げてみせた。

「ああ、あなたのことは知ってるわよ。うちのグループの研究生で私のファンだって」

「そ、そうです」

「よかったわね。人生の最後に憧れの人に殺されるなんて。あなたも満足よね」

「えっ、な、なに言ってるんですか？　殺すなんて、そんなこと」

「あなたこそ何を言ってるのかしら。この私が呼ばれてのデスゲームよ。あなたにできることは命を賭けることだけじゃない」

ルルリちゃんの挑発的な言葉に私は怒るという感情すら湧き起らない。

彼女の命を賭けろという言葉には自分にはそれだけの価値があるという自覚すら感じてしまったから。

ルルリちゃんは私の甘えた心を見透かして弄んでいるのだ。

「わた、わたし、どうしたら」

いったいどれだけだまされなければいけないんだろう。

私が生きる目標にしていた赤音ルルリが見せる残忍な本性。

もう何も見たくない。

私が頭を抱えて目を閉じた次の瞬間、パシーンと乾いた音がホール内に響いた。
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