デスゲームアイドル デスゲーム学園からの大脱出
毒を受けるポイズン役は勝利条件にゲットしたカードの枚数が関係ない。

つまり、マッチング役が勝つにはカードをたくさんゲットしないといけないけれど、ポイズン役はその分死に近づいてしまうのだ。

なんていやらしいルールだろう。

コンビ戦がこんな風に足の引っ張り合いをさせるルールだとすると、クラスのみんながコンビ戦を避けていた理由も頷ける。

「ちなみに気になる死に至る毒の数値ですが、過去の同じ毒を使ったゲームでの平均致死量は49となっております」

49、トランプの1から13までの数字の平均を7とすると7回カードをマッチさせて毒が注入されると死ぬ計算になる。

7回、ハート、ダイヤ、クラブ、スペードの各13枚のトランプの同じ数字がマッチする回数は26回だ。

だいたい4回に1回毒が注入されれば死ぬ計算になる。

つまり普通に神経衰弱をプレイすればポイズン役は死んでしまうのだ。

(あおい)、俺が……」

「私がポイズン役する!」

シュウくんが言おうとしたことはわかっていた。死ぬ確率が高いポイズン役を引き受けようとしていたところを私はさえぎる。

(あおい)、それは……」

「普通に考えてデスゲームのプレイがうまいシュウくんがマッチング役をする方が勝つ確率は高くなるでしょ!」

「わかった。絶対に死なせないからな!」

シュウくんは振り返ってテーブルの椅子に座る。

「どうやら、お互いの役割は決まったようですね」

司会が確認すると脇に控えていた黒服が私に黒い首輪を取りつけた。
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