デスゲームアイドル デスゲーム学園からの大脱出
「なお、今回のマッチング・ポイズンでは2枚マッチしてカードを取った後、続けてもう1回ではなくターン交代となります」

司会の言うルールの意味するところはすぐに分かった。

「いいわよ。28枚取ったら勝ちが決まるゲームなのに調子が良かったら最後の8枚ぐらいは一気に取っちゃうものね」

ルルリちゃんはにこにこと笑いながら解説する。

「他に質問はありませんでしょうか?」

司会の黒服が尋ねてきたとき、シュウくんが声を張り上げた。

「おい、ちょっと待て。そっちのコンビはネコがポイズン役だろ。不公平じゃないか」

そういえば……別にネコの命が軽いとは言わないが、人が死ぬのと比べると不公平といえるかもしれない。

「あらあら、何を勝手に勘違いしているのかしら?」

「なんだよ」

「私たちのコンビは私がポイズン役よ」

「はあ?」

「このホルツェがマッチング役として私のターンのカードを選ぶわ」

「まさか、ネコがカードを選ぶって?」

馬鹿にされているのか、それともルルリちゃんがふざけているのか、真意が測りかねない。

「ホルツェは賢いから、心配いらないわ。もちろんホルツェが選んだカードは私がめくるけど、前足でめくるカードを教えてくれるから」

「おいおい、ふざけすぎだぜ。もしそれでゲームが始まっていつまでたっても、そのネコがカードを選ばなかったらどうするんだよ」

シュウくんが司会の方に視線を向ける。

「各ターンのカードをめくるまでの制限時間は5分となっております」

司会の黒服の説明を聞いてルルリちゃんが口を開いた。
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