デスゲームアイドル デスゲーム学園からの大脱出
「これでプレイヤー有月の毒の注入量は60になります。死亡した時点でゲームは終了となるのでプレイヤー有月は注意してくださいね」

注意するってどうすればいいのよ。司会はユーモアを込めたのかもしれないけれど、当然私は全く笑えない。

既にゲーム舞台の近くに白衣を着た医者らしき男が控えている。

もちろん私を治療するのではなく、プレイヤーの死亡を確認する役目なのだろう。

首輪から私の中に毒が注入されるのが分かる。

まだだ。まだあと少しだけ生きないと。

私は毒のもたらす死の鼓動に耐えるために閉じていた目をまた開く。

「まだ、大丈夫。シュウくん、ゲームを続けて」

「……おう」

シュウくんは焦る動きでトランプをめくる。

ハートの3。数字とマークを確認してすぐに自分の近くにあるトランプをめくる。

ダイヤの3だ。マッチした。

「ねばる脱出コンビ。ここでプレイヤー赤音に3の毒が注入されて毒の分量合計は31になったあ!」

ルルリちゃんの注入された毒は私の半分だったけど、時々咳き込んで顔色も真っ青だ。

「ちょっと、60も毒を注入されてあの女はなんで生きてるのよ。49が致死量なんでしょ!」

「それはあくまでこれまでの平均値でして」

私の体、あとどのくらい持つの。

まだ、もう少しだけ……
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