デスゲームアイドル デスゲーム学園からの大脱出

何だかおでこを焼かれているような痛みがある。

最初はぼんやりした痛みだったけど次第にはっきりしてきた。

なんだろう。何か大変なことがあったような……何かゆっくりとしてちゃいけないことがあったような。

「わ、わたし、しんじゃったんだ！」

はっと目が覚めて、私は首が頭に引っ張られて折れるぐらいの勢いで上半身を起こした。

ごん！

と、何か硬いものが私のおでこにぶつかった。

もともと痛かったおでこに割れるような衝撃が響く。

「いったぁ……あ、あれ、なに、ここ」

気が付くと私の周りをぐるりと大勢の人が囲んでいる。

数は２０人ぐらい。みんな私と同じ中学生ぐらいの年に見える。

私は自分の体の状態を確認する。確か毒薬を何本も注入されたはずだった。

おでこには厚手の絆創膏(ばんそうこう)が張られ、私がボールペンを突き刺した太ももには包帯が巻かれている。

その右太ももをぼんやりと眺めながら、私は呟いた。

「私は生きてるの？　それともここが死後の世界なの？」

「気が付いたようだね。有月蒼(ありづきあおい)さん。体は大丈夫？」

整った顔立ちをした男の子がおでこをさすりながらも心配そうに尋ねてくる。

「は、はい」

おでこをおさえているのは、さっき私が起き上がるときに頭突きをしてしまったからだと気が付いた。

「も、もしかして、私頭をぶつけちゃったの。ご、ごめんなさい」

「いや、なんともないよ。自己紹介するね。僕は真桑司(まくわつかさ)、よろしく、有月(ありづき)さん」

背の高い、いかにも人柄の良さが顔に出ている司くんは柔らかな微笑みとともに私の前で腰を下ろした。