片桐くんは空気が読めない
*
「ついた、ここだ」
片桐くんはそういうと、ファミレスの中へ入っていった。
「片桐くん、私、たしかにどこでもついて行くって言ったけど、もうお昼食べるの?」
もっとこう、どこかで遊んだ後にランチの方がデートっぽいのではないか。
そう抗議したかったが、事情をぼやかして誘っているため、そうすることもできずにもどかしかった。
「バーカ、ここが今日のメインのメインだ」
「メインのメイン?」
お馴染みのファミリーレストランは、アニメのキャラクターで店内デコレーションされていた。
久しくアニメから離れていた身としては、なんだか懐かしい。
席に着くと、メニューも限定版と通常版に分かれているようだった。
「これって、コラボ?」
「そうだ。ここは、おけ部!!の限定ラッピング店舗だ」
言われてみれば、店内の放送も可愛い声の女の子でジャックされていた。
すると、グランドメニューを見ていた私から、片桐くんはメニューを取り上げた。
「すまないが、コラボメニューの方から頼む」
「え、」
「ちなみに特典のコースターは俺がもらうから」
「それは別にいいけど」
片桐くんはご機嫌で、注文用のタブレットを操作していた。
私はそんなにお腹がすいていなかったこともあって、ランチではなく、コラボのドリンクとスイーツを一品ずつ頼んだ。
片桐くんは人の金だと思って、ドリンク、メイン、デザート全てを注文していた。
私が言うのもなんだが清々しいほどに遠慮のない男だ。
「ついた、ここだ」
片桐くんはそういうと、ファミレスの中へ入っていった。
「片桐くん、私、たしかにどこでもついて行くって言ったけど、もうお昼食べるの?」
もっとこう、どこかで遊んだ後にランチの方がデートっぽいのではないか。
そう抗議したかったが、事情をぼやかして誘っているため、そうすることもできずにもどかしかった。
「バーカ、ここが今日のメインのメインだ」
「メインのメイン?」
お馴染みのファミリーレストランは、アニメのキャラクターで店内デコレーションされていた。
久しくアニメから離れていた身としては、なんだか懐かしい。
席に着くと、メニューも限定版と通常版に分かれているようだった。
「これって、コラボ?」
「そうだ。ここは、おけ部!!の限定ラッピング店舗だ」
言われてみれば、店内の放送も可愛い声の女の子でジャックされていた。
すると、グランドメニューを見ていた私から、片桐くんはメニューを取り上げた。
「すまないが、コラボメニューの方から頼む」
「え、」
「ちなみに特典のコースターは俺がもらうから」
「それは別にいいけど」
片桐くんはご機嫌で、注文用のタブレットを操作していた。
私はそんなにお腹がすいていなかったこともあって、ランチではなく、コラボのドリンクとスイーツを一品ずつ頼んだ。
片桐くんは人の金だと思って、ドリンク、メイン、デザート全てを注文していた。
私が言うのもなんだが清々しいほどに遠慮のない男だ。