追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
ステファンはイザークとノアと共に城の中へと戻る。
出迎えてくれたのは、オリーヴと両親だった。
ベッドから起き上がれないほどに衰弱していたオリーヴが、顔色もよく人の支えなしに歩いている。
ステファンにとっては、夢でも見ているのかと思うほどに信じられない光景だった。


「オリーヴ!? 大丈夫なのか?」

「えぇ! 急に体が軽くなって……信じられない気分だわ」

「僕も同じだ。アザもすべてなくなった」


長年、苦しめられたものから解放されたのだ。
家族で抱き合いながら喜んでいた。


「本当に信じられない。フランソワーズはたった一人で悪魔を祓ってくれたのだな」


フランソワーズの名前を聞いた途端、父に掴み掛かるようにして問いかけた。


「──フランソワーズは!? 無事なのですか?」

「ステファン、落ち着け!」


フランソワーズは大丈夫なのか、そのことが頭を覆い尽くす。
彼女はまだあの部屋から出てくることはないそうだ。
ステファンはすぐにフランソワーズの元へと向かう。
固く閉ざされた扉を前に手を止めた。
フランソワーズに合図があるまで入るなと言われたそうだ。
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