追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
しかし、彼女の意思は自由になること。
ステファンもフランソワーズの手を離してあげるべきだとわかっていたが、彼女への想いは止まることはない。
どんな手を使ってでもフランソワーズのそばにいたいのだ。

今、フランソワーズに必要なのは休息だ。
入浴に食事、フランソワーズのためならなんでもしたいと思ってしまう。
それからステファンは彼女に気持ちを伝えた。


『フランソワーズ、僕と結婚してくれないか』


困らせることはわかっていた。
けれど自分がフランソワーズを幸せにしたいと、そう強く思うのだ。
ステファンはなんとか彼女に時間をもらうことに成功した。

そしてフランソワーズが今まで置かれていた状況を聞いて、怒りしか湧いてこなかった。
まるで道具のようではないか、と。
セドリックに対しても同じだった。腹が立って仕方がない。

ステファンと同じように今まで色々なものを押さえ込んでいたフランソワーズの本当の気持ちを知ることができた。
涙するフランソワーズを抱きしめながら、ステファンは決意する。

(もう誰にもフランソワーズを傷つけさせない。僕が必ず守ってみせる……!)



(ステファンside end)
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