追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
「わたしがセドリック殿下の婚約者だったら、お力になれたのに……」

「……!」


そう呟いたマドレーヌに、セドリックは気持ちが抑えられなくなった。
フランソワーズという婚約者がいながらも、マドレーヌを愛してしまったことに気がついたのだ。

(俺は……マドレーヌを愛している)

マドレーヌに気持ちを伝えると、なんとマドレーヌを「わたしもセドリック殿下を愛している」と言ってくれたのだ。
彼女と想いが通じ合ったことに喜び、天にも昇る心地だった。
ずっとフランソワーズが婚約者だったことが不満を感じていた。
彼女に異性としての魅力を感じたことは一度もない。
初めて感じる高揚感に、セドリックはマドレーヌと結ばれるために動くことを決意する。


「マドレーヌを王妃になってほしいが……悪魔の宝玉のことだけが心配だ」


フランソワーズと婚約してから、彼女がずっと宝玉を守り続けていた。
その功績だけは認めざるを得ない。

そのおかげで母も自由に振る舞えるようになったと喜んでいたからだ。
マドレーヌがフランソワーズの力より上だとしても宝玉のことだけはどうにもならない。
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