追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
「そ、そうか! 任せたぞ、マドレーヌ」


セドリックはマドレーヌの言うことを信じて、自身は動くことはなかった。
そしてセドリックの誕生日パーティーでフランソワーズの罪を暴きたいとマドレーヌは言った。


「もしセドリック殿下の誕生日にわたしたちが結ばれれば、最高の記念日になりますね……!」

「……! あぁ、嬉しいよ。マドレーヌ、最高の日にしよう」

「ウフフ……きっと最高の日になりますわ」


そうやって迎えたセドリックの誕生日パーティー。
フランソワーズを国から追い出すことに成功したものの、何か腑に落ちない。
フランソワーズの言葉が、セドリックの中で引っかかって仕方がない。
確かに証拠もなければ、証言だけでフランソワーズを追い詰めるのは無理があったのではないだろうか。

(マドレーヌに任せていたが、自分でもちゃんと動くべきだった……!)

それにフランソワーズは身の潔白を証明するかと思いきや、さっさと身を引いて、会場から出て行ってしまったのだ。

『だってわたくし、マドレーヌに何もしておりませんもの。この子に興味を持ったことすらありませんわ』

フランソワーズのその言葉が頭を離れない。

(もしフランソワーズの言うことが真実だったら。本当にこのままでよかったのか……?)
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