追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
それだけでセドリックの気持ちが救われたような気がした。

これでセドリックはマドレーヌと結ばれることができると思った。
ベルナール公爵とも改めて話すことになったが、母からマドレーヌに声がかかる。


「マドレーヌ、早速だが宝玉を鎮めて欲しい」

「人が集まるパーティーの後はどうもダメなのよね」


両親がそう言うとマドレーヌは、嬉しそうに笑みを浮かべながら頷いた。


「もちろんです! わたしに任せてください」


自信満々のマドレーヌは宝玉の間へと足を踏み入れる。
最近ではフランソワーズしか立ち入ることがなかった場所だ。
久しぶりに見た宝玉はわずかに黒く濁っている。
マドレーヌがこれを破壊してくれると期待しているのか両親も期待の眼差しを向けている。

マドレーヌは「緊張します」と言いながらも、部屋の中へ入っていった。
フランソワーズよりも力が強いならば数時間で出てくると思ったが、護衛からマドレーヌが部屋から出てきたと知らせを受け取てから半日以上経ってからだった。
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