追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
* * *


シュバリタイア王国を出て一カ月が経とうとしていた。
フランソワーズはフェーブル王国で幸せすぎる日々を過ごしている。

一カ月前のあの日、ステファンから結婚の申し出を受けたが一旦、保留にしていたフランソワーズ。
しかしいつの間にかフェーブル国王や王妃もステファンの気持ちを知っていた。
フランソワーズに「是非、王家に嫁いできてくれんか!」「あなたなら大歓迎よ!」と前向きな言葉をもらっている。
こんなに早くフランソワーズを受け入れていいのかと、疑問に思ってしまうほどだが、元々セドリックの婚約者だったことが大きいのかもしれない。

オリーヴとは毎日一緒に過ごしているうちに自然と親しい友人となった。
彼女は病の時にできなかったことをしたいと、フランソワーズと買い物に行ったり、お茶をしたりしていた。
年相応にドレスやアクセサリー、化粧とおしゃれに興味津々だ。


「コレ、フランソワーズに似合うと思うの!」


オリーヴに巻き込まれるようにして、自然とフランソワーズの物が増えていく。


「ドレスもお揃いにしましょうね!」


無邪気に笑うオリーヴは可愛らしくて、フランソワーズも見ていて明るい気持ちになる。
痩せ細った体は、少しずつふっくらとしていくのも見ていて嬉しくなった。
彼女とは同じ歳ではあるが、まるで妹のように思えてくる。
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