追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
アダンは毎日欠かさず城に通いオリーヴを励ましていたそうだ。
そしてオリーヴの体調が回復したことを何よりも喜んでいた。
互いを想い合う二人の姿を見ていると胸が熱くなる。


「ねぇ、フランソワーズ。ステファンお兄様とはどうなの?」

「どうって……」


フランソワーズはステファンとの最近のやりとりを思い出していた。
ステファンは毎日と言っていいほどフランソワーズに会いに来る。
忙しい中でもフランソワーズのために必ず時間を作ってくれていた。
『君が好きだ』『今日も美しい』『共に過ごせる時間ぎ幸せだ』
ステファンの甘い言葉を思い出すと、自然と頬が赤くなってしまう。
それを満更でもなく受け入れている自分がいる。
オリーヴはそんな表情を見て嬉しそうにしていた。


「わたくしでいいのかしら……とは、思うけれど」


フランソワーズはたまに不安になる。
ステファンは誰からも慕われており、フランソワーズから見てすべてにおいて完璧だった。
端正な顔立ちは目を惹きつけるし、いつも物腰が柔らかく紳士的だ。
どんな時も冷静で頭の回転も早い。その圧倒的な強さも目を引いた。
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